【15.夜乗陽】DS455 – Night Cruise

日本語ウェッサイシーンの重鎮による、文字通りナイトクルーズに最適な名曲です。シングルCDのジャケが内容を見事にビジュアライズしており、夜空を駆け回りたくなりますね。

そもそも日本語ラップという代物について、今でこそ平然と市民権を得ていますが、かつては日本人がアメリカ人の真似をしてラップすることに対して批判的な層が一定割合いました。ましてや、日本語ウェッサイとなると、日本人によるアメリカ西海岸のアーティストの猿真似とみなされ、コアなリスナーからは敬遠されていました。これらの楽曲を聴くのはどこか恥ずかしいという雰囲気すらあったと記憶しています。

一方、そうした余計な知識のフィルターを外して純粋に音楽として接すると、驚くほど高いクオリティであることがわかります。単なる猿真似を通り越し、ネタ使いのセンス、サウンドプロダクションは本場のメジャーレベルと肩を並べます。リリックも、音楽や車への愛に溢れ、純粋に好きなことを貫いている様が清々しくさえもあります。

ジャパニーズシティポップの再評価の中で70年代〜80年代のインディーズ楽曲が見直されていますが、90年代〜00年代のジャパニーズウェッサイも同様に陽の目を浴びて良い頃だと思います。今こそ聴くべき1曲です。