【09.夕乗陽】DOGG MASTER – Get Ready

夕日の中をノリノリでクルージングしたくなる名曲です。楽曲の雰囲気が見事にビジュアライズされたアニメ風ジャケットも最高にクールですね。

2000年代中盤頃の G-RAP シーンは、チキチキ系のバウンスものやハイフィーが主流で、私が求める古き良きG（グルーヴ）な音楽が少なかったように思います。そんな状況に一石を投じてくれたのがヨーロッパのG-FUNKフォロワーたちであり、中でも2006年〜の「Cocktails」シリーズで頭角を現したフランスの DOGG MASTER は印象的でした。

わかりやすいブリブリベースに高音シンセ、ひたすら気持ち良いメロディとコーラスという、ともすると揶揄されかねない伝統芸能的・金太郎飴的な世界観を愚直なまでに実践するスタイルは、逆に新しさすら感じさせてくれました。以前、日本の DS455 の記事でも書かせて頂きましたが、これらは本場の猿真似ではなく、純粋に好きな音楽を追求していった結果であるのは言うまでもありません。

その証拠に、この曲が収録されている2011年のアルバム「Get Ready」では、MC EIHT, KURUPT, GOLDIE LOC, BUTCH CASSIDY, SOOPAFLY, XL MIDDLETON, DADDY V, KING TEE といった西の錚々たる「本物」たちと堂々と渡り合っています。

憧れが本物を超えることもあるという好例を是非ご一聴ください。