【17.夜寛陽】BALL PLAYER – Be There

2023年1月に惜しまれながら閉店した Alameda Records（ノア渋谷812号）がオープン間もない2006年頃に購入した思い出深い1曲です。

その頃の渋谷のG-RAP勢力図と言えば、絶対的王道がSAM’S（現在の 2TIGHT渋谷の地下）、次いで怪しい噂もあった（場所的にも怪しすぎる） SIDE 2 SIDEであり、Alameda Recordsはその中に突如現れた確かな審美眼を備えた実力派ショップという印象でした。ワンルームに埋め尽くされた大量のマニアックなCDと壁一面を覆うサイン入りポスターの中でいつも黙々とPCに向かう店員さんの姿はG-RAPマニアの鑑と言えるでしょう。

今思えば恥ずかしいですが、この頃まだG-RAPのことをあまり良く知らなかった私が当時の知識を総動員して、UGN氏のコンピに収録されていた「B.O.M. (BALLERS ONA MISSION) – Shackles On My Feet」のような曲を探していると伝えると、段ボールをゴソゴソしてこのCDを出して聴かせてくれたのを今でも鮮明に覚えています。もちろん、そのあまりの的確さに即決しました。

この、相手が何を求めているかを瞬時に把握し、膨大な知識を駆使してフリースタイルで最適解を提案するというある種の職人技を目の当たりにしたことが、その後の私の音楽鑑賞観を方向付けたと言っても過言ではありません。このサイトも微力ながら皆様のお力になれれば幸いです。

それからも何度か通わせて頂き、探しているCDのことなど親身になって相談にのってくれた頼れるお店でした。近年はG-RAPにとどまらずモダンFUNKやR&Bも取り揃え、全方位的な音楽ファンに支持されていた中での閉店は残念でなりません。現在は「California Music Inn」「FUNK MUSIC RECORDS」とそれぞれの道を歩まれていますので、引き続きチェックさせて頂きます。